飛行機のフライト中、読書を楽しんだり眠ったりする乗客たち。そんな空間で、もし自分の赤ちゃんが大声で泣き続けたら…。
そんな事態を避けるため、別の交通手段を選んだり、赤ちゃんを預けてから飛行機に乗り込む母親も多いのではないでしょうか。
先日、初めて娘を連れて飛行機に搭乗することになったレベッカ・ガーヴィンソンさんも、その胸の内には、たくさんの不安を抱えていました。
軍人として離れて暮らしている夫にサプライズ訪問をするため、まだ幼い娘のライリーちゃんと、早朝5時半発の飛行機に乗っていたのです。
機内はほぼ満席でしたが、早朝ということもありシーンと静まり返っていました。
レベッカさん親子の隣りになったのは若いカップル。ライリーちゃんを見るなり怪訝そうな顔をし、あからさまにイライラした態度を取り始めました。
そんなカップルの様子に、離陸前から焦りを感じていたレベッカさんでしたが、ここでさらに、追い討ちをかけるような事態が起こります。
まもなく離陸という瞬間、突然ライリーちゃんが泣きはじめたのです!
懸命にあやすも泣き止まないライリーちゃん。レベッカさんは客室乗務員に、2つ空席がある前方の席に移らせてもらえないか頼んでみました。
すると、快く承諾を得て席を移動できたレベッカさん。しかし、それでもライリーちゃんは一向に泣き止もうとしません。
「やっぱり赤ちゃんを連れて乗るべきじゃなかった。」出発したばかりだというのに、レベッカさんにとって機内はもう地獄の空間。一刻も早く抜け出したいと困り果ててしまいました。
そのときです!
窓側の席に座っていた女性が、「もし良かったら私があやしてみても良いですか?」と、微笑みながら声をかけてくれたのです。
ちょっと動揺したレベッカさんでしたが、言われるがまま娘を女性に預けてみると…
不思議なことに、ライリーちゃんはすぐに泣きやみ、景色を見ながら楽しそうな表情をしたのです!
その後、着陸するまでの間、ずっとその女性の膝の上で、すやすやと眠り続けたライリーちゃん。
何度も頭を下げるレベッカさんに、ミラーと名乗るその女性は、終始「全然問題ないですよ」「逆に穏やかな気持ちになれるの」と笑顔で言ってくれるのです。
この言葉に、心が折れかけていたレベッカさんは、どんなに救われたことでしょう。
さらにミラーさんは、着陸後ライリーちゃんを抱えたまま、飛行機から一緒に降りてくれたのです。そのおかげで、ベビーカーや手荷物をスムーズに下ろすことができました。
それから無事に夫へのサプライズを終え、また自宅に帰ってきたレベッカさん親子。
レベッカさんは、機内での素晴らしい出来事をどうしても紹介したく、そして何よりミラーさんに感謝の気持ちを伝えたくて、Facebookに投稿しました。
すると、この投稿は10万回以上シェアされ、ミラーさんの親切な行動への称賛の声があつまりました。
閉ざされた空間のなかで多くの人と乗り合う飛行機は、大人でもかなりのストレスを感じるもの。また、それが態度に出てしまう人もたくさんいます。
しかし、ミラーさんのような気遣いは、当事者の気持ちを助けるだけでなく、周りの人々のイライラをも消し去ってくれることがあります。
もし、どうにもできない状況に困っている人を見かけたら、そんな気のきいた対応をしたいものです。