アメリカ・ウェストバージニアで、ある大雨の日、子猫が排水溝に流されてしまいました。生後たったの5週間という、小さな小さな子猫です。
[ada]
この危機に、地元のボランティアグループ”猫を助ける会“の創設者ドレラさんは、すぐに自ら排水溝へ向かいました。
どうやら子猫は、ふたで覆われた排水溝の奥に引っかかっているようでした。こうしている間にも、排水溝にはどんどん水が流れこみます。消防隊員が必死でくみ取るものの、水位は刻一刻と上がってきてしまいました。
早くしないと子猫が窒息してしまう。
みんなが祈る中、懸命に作業を続ける消防隊員。すると、絶体絶命の状況の中、ほんの少しですが、水位が下がりました。
そのときです。息を吸うだけの空間ができたのを確認したドレラさん。なんとその中へ、体まるごと入っていったのです。ドレラさんの命を支えるのは、足に巻いたロープだけ…。
死に物狂いで、排水溝の中の子猫に手を伸ばすドレラさん。果たして、子猫の運命は…。ぜひ動画にてご覧ください。
ドレラさんの足に巻いたロープを消防隊がひっぱると、彼女の泥だらけの下半身が見えてきました。そして彼女の上半身や頭が見えるよりも先に、手が排水溝の中からニョキっと現れました。その手には…子猫の姿が!!
子猫を別のボランティアの女性に手渡すと、ようやく両手を自由に使えるようになったドレラさんが這い上がってきました。
その時のことを思い出しながら、ドレラさんはこう語ります。「せっかくつかんだ子猫を落とすんじゃないかと思ったの。それだけが怖くて怖くて。ちゃんとつかんだまま水から上がれるか、とにかくそれが一番不安だった。」
そして、ぞっとした様子で振り返ります。「あの時、息を吸える空間はこのくらいしかなかったのよ。」。ドレラさんが両手で示した幅は、わずか15センチ足らず。まさに間一髪の救出劇だったのです!
さらに、「救出の時、集まってくれたどの人が1人欠けても、これは成し遂げられなかった。消防隊員が水をくみ上げ続けてくれなかったら、到底中へは入れなかった。ここのみんながヒーローよ。」と言ってのけるドレラさん。
けれども、あの狭い排水溝へ、自らの危険も顧みず、泥だらけの水と共に入っていけるドレラさんの勇気と執念は、並大抵のものではありません。なかなか真似のできない、溢れんばかりの猫への愛情が伝わってきます。
なお、無事助けられた子猫は、現在、里親のもとでかわいがられているとのこと。
子猫をはじめとした小さな動物たちは、自然災害の前では、本当に無力な存在です。それを命がけで救おうとする人たちの努力と勇気が実を結び、命拾いした子猫。
こんなに小さな命でも、かけがえのない大切なものに違いありません。助かって本当によかった!