フィンランド在住のジェンさんが同国の国営放送“Yle”と協力して行った社会実験の映像です。
[ada]
HIV、正式名称ヒト免疫不全ウイルスは、人の体をさまざまな病原体から守っている重要な免疫システムを破壊してしまい、健康な状態なら普通は発症しない病気を発症するリスクを、大きく高めてしまいます。
しかし、HIVの感染経路は性感染、母子感染、血液感染と非常に限られていて、HIVに感染している方と生活をともにしていたとしても、それらを行わない限りは感染することはありません。
にも関らず、まだまだ誤解が多く、HIVに感染している方たちに対する偏見が蔓延しています。
そんな中、HIV陽性の男性 ジェンさんはそんな偏見に立ち向かうため、「私はHIVに感染しています。私に触れてくれますか」と書いたボードを足元に置いて街角に立つことにしたのです。
▼その結果はコチラ。
目を閉じ、手を広げ堂々とした態度で触れてくれる人を待つジェンさん。
しかし、ボードを文字を読んだ人たちは、ただそこを通りすぎていくだけ。
やはりHIVに対する偏見があるのでしょうか? ジェンさんに触れようとする人は、まだ1人も現れていません。
しかし、しばらくしてジェンさんに触れる人が徐々に増えていきます。
「頑張れ!」
そう伝えるように肩をポンとたたいてあげる男性や女性の通行人たち。
「大丈夫だよ。HIVでもきみは何も変わらない。」
ジェンさんを恐れることもなく強く抱きしめてあげる人たちもいました。
たくさんの温かい心に触れ、最後には泣いてしまうジェンさん。
堂々としていながらも、HIVに感染してしまった自分は、もう他の人たちから受け入れられることはないのでは…と、気が気でなかったのではないでしょうか。
どんな状況であっても、わかってくれる人はきっとどこかにいる。HIVとともに生きるジェンさんが希望を持って生きてくれること、もっとHIVやエイズに関する正しい知識が広まることを、願わずにはいられません。