アメリカ・ボストンの野良猫コロニーで暮らす1匹の猫・ココナッツ。
その悲壮な表情は…
凍えながら、そして怯えながら街角で続けてきた暮らしが、いかに過酷だったかを物語っていました。
保護団体「Boston’s Forgotten Felines」のネルソンさんは、彼に去勢手術を施してコロニーに戻す予定だったそうですが…
あまりに酷い状態だったため、そのまま施設に引き取ることに決めます。
耳ダニや慢性的な下痢は言うまでもなく、上気道の感染症に尿路感染症まで患っています。
尻尾はオイルのようなものでべったり汚れ、後ろ足も悪いようでした。
しかし問題なのは、彼の誰からも好かれないような態度だったんです。
思いがけない事実
ケージに入れて治療が始まると、体調は改善してきましたが…
彼はまだとても不機嫌で、誰にも近寄らせません。
ドアを開けると逃げてしまうため、ご飯をあげたりケージを掃除したりすることすら、とても難しい状況でした。
少しずつ心を開いてはくれましたが、まだ誰かが近くを通ると威嚇して怒るんです。
彼はいつも下を向いていて、決して頭を上げません。
毛づくろいもしないし、目を綺麗にしてあげるために触ることもできませんでした。
しかし数ヶ月がすぎたある日…
突然、ココナッツが頭を触ることを許してくれたのだとか!
ほんの一瞬の出来事でしたが、それは彼が、ついに心を開き始めたサインでした。
そして、ネルソンさんが彼に近づけるようになるにつれ、思いがけない事実が判明します。
彼は耳が聞こえず、目も影しか見えていないようなんです。
こんな状態で野良猫として生きるのは、とても辛かったでしょう。
一部からは安楽死させたほうがいいと何度も言われましたが、ネルソンさんは決して諦めませんでした。
そんななか、預かりボランティアのアシュリーさんが彼の引き取りを申し出ます。
引っかかれたり噛まれたりしながらも、辛抱強くたっぷりの愛情を注ぎ続け…
数ヶ月後には、喉を鳴らしてくれるまでに打ち解けることができたそう!
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飼い主が見つかった!
その後、さらに別の預かりボランティアの元でペットとして生きる準備を整えた彼は、無事に「生涯のお家」へと旅立っていきました。
優しい家族に囲まれた今、その表情はまるで別の猫のようです。
必死に戦ってきた分も…
これからは幸せに暮らしていけるよう、心から願っています。