米バージニア州の動物病院で助手として働いていたエレンさんの元に…
ある日、生後わずか1日の野良猫の兄弟が連れてこられました。
そのうちの1匹は、残念ながら、翌日に息を引き取ってしまって…
けれども、残されたもう1匹は、懸命に生きるための戦いを続けようとしていました。
過酷な闘病生活
ヒースローと名付けられた子猫は、あまりにも弱っており、自力で体温を調整することが出来ません。
そのため、体温を一定に保つことの出来る保育器の中に入れて、四六時中の看護をする必要がありました。
それでも、病状はどんどんと悪化してしまい…
いろんな種類の抗生物質を投与していたのですが、それも効果がなかったみたいで…
そこで、酸素吸入機を使って呼吸を補助したり、気管に直接薬を送ってあげることにしました。
以降2週間、吸入機による治療が続きます。
ヒースローは、見知らぬ人間が治療のために体に触れるのを、けっして拒みませんでした。
リハビリのために体を少し動かしただけで、顔色が悪くなってしまうこともあったんですが…
ヒースローは、それでも弱音を吐かず、一生懸命にやり通しました。
また、エレンさんが自宅に彼を連れ帰って看護する間は…
飼い猫のベニーも協力してくれたそうです。
そのおかげもあってか、少しずつ体調は良くなっていったんです。
吸入機による治療はまだ欠かせなかったけれど、それもだんだんと必要なくなっていきましたね。
やがて歩き回れるほどに活力を取り戻したヒースローは、少しずつ家の中を探検して回るように。
弱っていても、やっぱり他の猫と同様、好奇心は抑えられないようです(*´∀`*)
そして1ヵ月後…
ほとんど健康になり、体も大きくなったヒースローは、エレンさんのもとに治療のために連れてこられた他の子猫たちと出会います。
すると、これまで面倒を見てもらっていた彼が、「今度は自分の番」といわんばかりに子猫たちに寄り添って、その体を温め始めたそう。
連れてこられた子猫たちも、やがてすっかりヒースローに信頼を寄せるようになり、いつでもその後ろをくっついて回るようになったんだとか。
先輩猫として、じゃれあって遊ぶ方法まで教えてあげるヒースロー。
この頃には、彼自身の体力もまた、十二分に回復していました。
とうとう固形のキャットフードも食べられるほどに成長した彼を見て、エレンさんも一安心です。
見守る側にも根気のいる病気ですが、それでも私たちはやり遂げました。
今はもう、遊びすぎたときに、ちょっと咳き込む程度にまで落ち着いています。
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掴み取った幸せ
元気になったヒースローは、まもなくして「生涯の家」を見つけることが出来たそう。
生死の境をさ迷っていた頃からは考えられないくらい、奇跡の快復を遂げた子猫。
今後の健やかな成長を、心から祈るばかりですね。