それは、お盆最終日の出来事。
北海道・積丹郡の「温泉旅館 北都 – 天然温泉 シララ姫の湯」に、夫婦と小学校2年生の男の子、そしてその妹の4人家族が宿泊しに来ました。
当日の午後に予定していた釣り船体験は、水面の状況を考慮して翌日へと延期。
そのため、彼らは揃って海水浴へと出かけたそうです。
楽しい思い出となるはずが…
しばらくして男の子の泣き声が響いて来たので足洗い場を見ると、さっきの男の子がお父さんに抱きかかえられ、泣きながら足を水に浸けていました。
事情を聞くと、砂浜に火が着いたままの炭が放置してあり、その火の着いた炭の上を何も知らずに歩いたため、足の裏を火傷してしまったとの事。
しばらく流水で冷やしましたが痛みは酷くなるばかり。
小学校2年生の男の子、一生懸命痛みを我慢し、歯を食いしばって涙をこらえている姿は、そこにいた大人全員が代われるものなら変わってあげたいと思うくらい痛々しくて。。。
救急車を呼び、余市の病院まで搬送され応急処置をしてもらい北都に戻って来たのは、陽も落ちて暗くなった午後7時半。
お父さんに抱っこされたその男の子の両足は包帯でグルグルに巻かれ足もつけない状態。
翌日の船釣り体験も出来なくなっちゃいました。
「海なんか来なければ良かったんだ」
この男の子はこう呟きました。
事故の原因は?
炭は、十中八九、浜を訪れたバーベキュー客が放置していったもの。
帰る際、バーベキューの炭や焚き火の焚き木は置いとけば自然にもどるという大きな誤解をしている人々が多く、火の着いたままの炭や焚き木を砂浜に埋めたり、そのまま放置して帰ってしまい、熱い炭を足で踏んで大火傷をしてしまいます。
炭はほぼ炭素の集まり。
腐って土になるようなことはありません。
砂浜を炭で汚したらそのまま永遠に残ってしまいます。
芯まで確実に水等で消火し、家庭ごみとして持ち帰ってください。
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悲しい出来事を綴った一連の文章は、大変切実な言葉で締めくくられています。
北海道の短い夏を良き思い出として子供達に残してあげたい!
積丹ブルーの海をずっと綺麗なまま残したい。
温泉旅館北都の望みです。
1人の好き勝手が、罪のない他人、美しい自然を傷つける結果に繋がりかねない。
そのことを、決して忘れてはいけません。