メキシコ・モンテモレロス市の郊外に暮らすドニャ・ロザルバ・キロスさんは、あるときガンを患い、治療のために親族の元で過ごすことになりました。
その後、愛犬のバイロンに会いたい一心でたびたび自宅を訪れていたのですが、やがて体調が悪化。
彼女は親族にバイロンの面倒を見るように頼み、まもなくして、この世を去ってしまいます。
そして…
親族はドニャさんの自宅を訪れましたが、何故かそこに、バイロンの姿はありませんでした。
15日後、ドニャさんの葬儀が執り行われました。
式が進み、棺の前で参列者が最後の別れを告げようとしたその時…
その場にいた誰もが驚く出来事が起こります。
なんと、行方知れずになっていたバイロンが、突然現れたのです!
通常、葬儀場に動物は入ることができません。
しかし…
こんな事は初めてです。
なぜ、この葬儀場の場所がわかったのか、不思議でたまりません。
まるで、飼い主にお別れを言う最期のチャンスだと知っていたようでした。
どうしてもと訴えかけるようにドアをひっかいたり吠えるバイロンの姿を見た葬儀場のスタッフは、特例措置を取りました。
葬儀中、バイロンは静かに床に座り、棺の上に置かれたドニャさんの写真を親族と共に眺めていたといいます。
彼がなぜ姿を消したのか、そして、どのようにして別れの日を知ったのかは定かではありません。
ただ一つ確かなのは…2人の間に、そうした不思議な出来事をも可能にするような深い絆があったこと。
犬が家族に対して抱く愛情の大きさは、人間には計り知れないところがあるようです。