東京工業大学・リベラルアーツ研究教育院の准教授である伊藤亜紗 (@gubibibi)さんは、学生たちと交わした「生死」を巡る議論の内容について、こんな呟きを投稿しました。
昨日の授業で生死について議論する時間があったのだけど、女の子の中に「産める能力を授かってしまったことへのとまどい」のある学生がそれなりいて驚く。産みたくないけど、産まないと「せっかくの能力を反故にするやましさを感じる」だったり「毎月の生理に耐えてきた自分が虚しくなる」だったり。
— 伊藤亜紗 (@gubibibi) 2018年4月20日
妊娠しないことに対して、ある種の「罪悪感」や「喪失感」を覚える学生がいる…。
思わず、言葉を失ってしまうようなお話ですね…。
こうした学生たちの意見について、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられました。
27歳女性です。子どもは大好きなのですが、なんとなく産みたくない気持ちがなぜかあります。でも産める身体をもつ自分が苦しいと感じるときがあります。同じ感覚を持つ方がいて少し安心しました。
— naoko (@naoko_latte) 2018年4月22日
実際には「産める能力」は「女ならば、誰でも、当たり前に備わっている」ものでもないのだけれど(身体的にも精神的にもジェンダー的にも)、「女ならば誰でも当たり前に備わっている」かのように規定する社会が、こういうやましさとか苦しみを生み出してるんだろうな。 https://t.co/Sr2QJOkKY2
— 宇井彩野 (@niyari_niyari) 2018年4月22日
産んでもいいし産まなくてもいいが本来だと思うし、今後もそのつもりだけど、親世代から「子供は産んで当たり前」「2人以上産まないと子供が可哀想」だの言われるからな。もしも、子供を産んでも子供に自分の価値観を押し付けない親になりたいな。産まなくても胸張っていきたい。
— masa_0u0 (@masa_0u0) 2018年4月22日
なぜ「驚く」のか?
出産って、超厄介な「手持ちの駒」って感じ。当然使うでしょと周囲から期待されるけど、そもそも使えるか不明だし、使った結果失うものも多く、得るものは不透明。使わない選択も勇気がいる。でも捨てるわけにもいかない。そもそも持たされていなければ悩まないのに!と思って当然 https://t.co/dryd2T8S76— satoopen (@satoopen) 2018年4月20日
現代社会が抱える文化的な問題、その根深さを垣間見る一幕です。
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ネットの反応
●やっぱり子どもを持つことを望まない女性は、面倒な質問されたり説教されたりしがち
●やましさや虚しさを感じなくて良い社会になるといいのにね。女性である前に個人だというのが当たり前の
●男女関わらず産まれただけで偉いのだよ!
妊娠・出産は、「果たさなくてはならない義務」でも、ましてや「行使して当然の権利」でもありません。
誰もが親になることを咎められず、そして強制されることもない未来に向かって、我々は今後も、歩を進めていく必要があります。