認知症に苦しむ母親。記憶もあやふやで、家族のことすらはっきりと思い出すことができません。外出はほとんど出来ず、ベッドの上で生活する毎日。言葉も上手く発することができなくなってしまいました。
そんな母に、少しでも元気を取り戻して欲しいと思った娘さん。老人ホームにギターを持ち込み、母が大好きだった歌の弾き語りを始めました。
しかし残念なことに、歌にあまり興味を示さず無表情の母。と思いきや・・・!
▼母のベッドに集まる家族。
どうにか母を元気づけたいと考えた娘さんは、ギターを取り出して弾き語りを始めました。母が大好きだった、レナード・コーエンの『Hallelujah(ハレルヤ)』です。
しかし、喜ぶどころかあまり興味を示してくれない母。
ところが、サビに差し掛かった瞬間・・・
『hallelujah(ハレルヤ)!』
娘さんの歌に耳を傾けながら、ゆっくりと記憶を辿っていたのでしょうか。母が、大好きな『hallelujah』を思い出したのです!
そこにいた誰もが驚きを隠せない様子。なかでも一番驚いていたのは、母自身でした。
認知症にもがき苦しんできた母にとって、歌の記憶を思い出せたことの喜び、大好きなフレーズを口にすることができた喜びは、計り知れないほど大きなものだったのでしょう。
込み上げる想いを抑えきれず涙する母。
そして笑顔で、母子孫そろって『hallelujah』を口ずさんだのでした。
母を想う家族の愛、そして歌の力に胸が熱くなります。