がんを患うと、仕事を休まなければいけないうえに、入院費や手術費など出費が重なります。「がん保険」にはもちろん入っておいて損はないのですが、未加入の場合は他に何も手立てがないのでしょうか。
いいえ、実は、がん患者も障害年金を受給できるというのです。
Twitterユーザーの勝俣範之さん(@Katsumata_Nori)が、「いまだに、ほとんど知られていない」としてツイートし、話題になっています。
がんの患者さんが障害年金をもらえることは、いまだにほとんど知られていない。障害年金は、簡単に言うと、重病になり、老齢年金をもらえない可能性のある患者さんが、前払いとして、年金を受給できるという制度と言ってよい。進行がん患者さんは皆受給する権利があると思います。もっと知ってほしい。
— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2016年4月7日
知らなかった!という方も多いのではないでしょうか。
万が一の事態に、このように制度として定められているのはとてもありがたく、ぜひ利用したいですよね。
このツイートに多数の反響が寄せられています。
@Katsumata_Nori そ、そうなんですか。全く知らずにもらえそうもない年金を普通に払い続けていました?教えてくださりありがとうございます!確認してみます。
— 【まきまき】 (@makikoshiraishi) 2016年4月7日
@Katsumata_Nori 父がガンになって動けなくなって歩けなくなってそれに対しての障害年金でした。初診から一年半経ってないといけないとか、初診からの経過を細かく書かなきゃいけなかったりとかなかなか大変でした。八年目の再発でしたし。これ結構大変な手続きでした。
— 婢楽 (@mazimahiraku) 2016年4月7日
@Katsumata_Nori とても為になる話をありがとうございます。私は母を進行がんで亡くしましたが障害年金のことは知りませんでした。遺族年金は母の友人の方が教えて下さって知りました。自分で調べることも必要ですが、でも権利があるものを教えてもらえないってどうなんでしょうね…。
— MIMUKI (@mimuki0601) 2016年4月7日
@Katsumata_Nori 化学療法を始めて思いの外副作用が強く、仕事を辞めざるを得ず収入も無くなり本当に辛くて。と、御家族から相談を受けてMSW依頼することがあります。治療を始める前にお金の説明をすることも患者の人生にかかわる大切なことだと、実感しております。
— ゆき (@yuuukiuuuki) 2016年4月7日
勝俣さんは、続いてその詳細についてのツイートを投稿。
がんの障害年金について。①申請は、がん発症から一年半経過していなければならない。
②がんの再発・転移者であり、根治がこんな状態であること。もし、受給者が根治した場合は、支給は取り消される。③厚生年金に加入している人は、障害認定3級から支給されるが、国民年金加入者は、2級から。— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2016年4月7日
がんの障害年金について、続き。④厚生年金加入者は、日本年金機構で審査されるために、認定までに約半年位かかるが、国民年金加入者は、年金事務所で審査されるので、申請から3ヶ月後くらいから支給される。⑥老齢年金を一度でも受けていた場合は、受給が困難である。
— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2016年4月7日
がんの障害年金について、続き。⑦障害年金は、身体障害者の年金とは別であり、認定医でないと診断書が書けないということはないし、障害者手帳も給付されない。
⑧この障害年金は、遺族が申請することも出来る。但し、亡くなってから5年以内である。— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2016年4月7日
勝俣さんによると、医師の中にも障害年金の診断を書いたことがない方が多く、身体障害の診断書と勘違いして「書けません」とおっしゃられる方もいるそうです。さらに、年金事務所に申請に行った際、「どこで聞いたのですか?」などと問い詰められたというケースも。
ですが、条件を満たしていた場合には誰にでも受けることのできる権利です。冷たい対応をされたとしても、しっかりと主張したいですね。
「障害年金」のケースだと、基本的には根治が難しいと考えられる患者さんに適応されますが、軽い病気や怪我でも手当金を受給できる制度もあるようです。こちらは「傷病手当金」といい、仕事を休まなければならなかった日に対して、条件をクリアすれば1年6ヶ月の間支給されるお金です。
国民の義務として払わなければならない、年金や保険。万が一のときにはぜひこの制度を利用して、少しでも心配を和らげていただきたい、と思います。