安全で住みやすいと言われる、カナダ・バンクーバー。しかしその東部におかれたダウンタウン・イーストサイドは、そんなイメージを覆すほど犯罪発生率が高く、先進国で最悪のスラム街と称されています。
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最近では特に、車椅子に乗っている人への暴行や強盗が問題になっているのだとか。
そこで、現場の状況を身を持って把握しようと立ち上がったのが、バンクーバー署で巡査部長として働くベテラン警官のマーク・ホーズリーさん。
おとり捜査として、車椅子に乗ってスラム街に乗り込むことにしました。
電動車イスに座り、ホームレスの男性になりすましたマーク巡査部長。脳に受けた怪我のため、身体が麻痺してしまったという設定なのだとか。5日間に渡るおとり捜査の始まりです。
おとり捜査を始める前は、暴行を受けたり金品を奪われたりするだろうと思っていたマーク巡査部長。しかし驚くべきことに、危険なスラム街を通りゆく人々の対応は、彼の想像を覆すものでした。
人々はマーク巡査部長を快く受け入れ、いろいろな話を聞かせてくれたといいます。そして中には、車イスに乗った彼のために祈らせて欲しいと言う男性や、
開けっ放しになっていたかばんから出ていたお金を元に戻し、かばんを閉めてくれた男性も…。
また、「お金数えられない」と言えば、みんな親切にお金を数えてくれ、お金を盗むような人はいませんでした。それどころか、同情してお金をくれる人まで現れ、最終的には、捜査を始める前よりも約3千円ほど、手持ちのお金が増えたのだとか。
捜査を終えたマーク巡査は、「障がいを持つ人たちに対する暴力は確かに存在している。しかし、車イスの男性という立場の私に対して人々が見せた思いやりや優しい心は、とても素晴らしいものだった。」と5日間を振り返ります。
▼マーク巡査部長とスラム街の人々の交流の様子はコチラでご覧いただけます。
警察官をはじめ、この地域の住人たちはみんな、温かい目で障がい者を見守り応援しているのです。
一部の心無い人の行動や言動で彼らが傷ついてしまうことのないよう、全ての人にとって安心して暮らすことのできる街になって欲しいですね。