子グマの命を巡り、勇敢で温かい行動を取った男性が世界中で話題になっています。
[ada]
事件は2015年7月上旬、カナダのバンクーバー島のトレーラーハウスを、2匹の子グマを連れた母グマが襲撃したところから始まりました。食料にありつけないクマが、冷蔵庫の中の食べ物を狙ったのです。
すぐさま現場に駆けつけた野生動物保護局と消防士たちによって、食べ物を取ろうとした母グマは殺されてしまいました。そして、保護局の決定により、残された2匹の子グマたちさえも安楽死させることに…。
■男の決断
しかし、その非情な決定に猛反対した男性がいました。保護局の担当職員であるブライス・カサヴァントさんです。
上層部が決めた まだ生後8ヶ月ほどの子グマたちを安楽死させるという決定に、納得することができなかったカサヴァントさんは、上司の命令に逆らい、子グマたちを獣医さんのもとへ連れていくことにしたのです。
その結果、身勝手な行動を取ったという理由で、カサヴァントさんは停職処分に。
■世界中から賞賛の声が
しかし、この話題がニュースで広まると、自分の立場よりも子グマたちの命を優先したカサヴァントさんの温かい行動に、世界中からたくさんの賞賛の声が上がりました。
そして、カサヴァントさんの停職処分を取り下げるための署名も、今や19万件を超えるほどに。間もなく目標人数の20万人に届きます。
※コチラ(change.org)から署名に参加できます。
停職は解けていませんが、この署名のおかげで、ひとまず給料は引き続きカサヴァントさんに支払われることになりました。
さらに、カサヴァントさんの行動の甲斐あって、子グマたちはノースアイランド野生動物保護協会という保護施設に送られました。2匹はジョーダンとアテナという名前をもらい、大人になるまでそこで育てられることになったのです。
上司の命令よりも、自分が正しいと思ったことを実行したカサヴァントさん。その勇気と優しさは人々の心を動かしました。
昨今では、動物たちの住処がどんどんと奪われ、生きるために民家を襲うというケースが後を絶ちませんが、だからといって、動物たちをただ殺すというのでは何の解決にもなりません。
難しい問題ですが、今回のカサヴァントさんのような勇気や優しさを持った人が増えてくれば、何か前向きなアイデアが生まれるのではないかと思いました。