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胸が熱くなる。規則を破って猫を救った兵士。でも本当に救われたのは兵士だった

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アメリカ・オレゴン州出身の兵士 ジェシー・ノットさんは、8年に及ぶアフガニスタンでの兵役中、ある1匹の猫によって人生を救われました。

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戦場での生活は、ジェシーさんにとって非常に過酷なものでした。

「いつ仲間が死ぬか分からない」「自分は無事に故郷に帰ることができるのだろうか」そんな不安と緊張で張りつめた毎日が、まるで終わりのない迷路のように続いていました。

そんな中、カシュカという1匹の猫に出会ったのです。

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出会った当初、カシュカはペンキを塗られていたり、バリカンで毛を剃られていたりと、酷い虐待受けている様子でした。

そんなカシュカを見過ごしておけなかったジェシーさんは、基地で動物を飼うことが軍規に違反するにも関わらず、カシュカを基地に連れて帰ることにしたのです。

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最初は、哀れな猫を救いたいという思いだけで、基地に連れて帰ったジェシーさんでしたが、毎日一緒に過ごすうちに、むしろ自分救われていることに気付きました。

カシュカと戯れる一瞬が、終わりのない真っ暗な迷路に差し込んだ、ただ1つの癒しの光だったのです。

 
そんなある日、ジェシーさんが所属するアメリカの部隊を狙った自爆テロが発生します。

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無残にも、2人の仲間が命を落としました。

「もう何もかも終わりだ…」そんな絶望の淵にいたジェシーさんに、もう一度希望を持たせてくれたのもカシュカでした。

肩を落とし涙を流すジェシーさんの膝に乗って、「ジェシーなら大丈夫」カシュカの仕草がそう伝えてくれたのです。おかげで、ジェシーさんは絶望を乗り越え、故郷に帰るという希望を、もう一度持つことができました。

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カシュカという小さな生きがいを胸に、戦地での生活を送っていたジェシーさんでしたが、やがて「カシュカをアフガニスタンからもっと平和な場所へ連れ出してあげたい」という想いが強くなります。

「カシュカは僕を暗闇から引きずりだしてくれた。僕もカシュカを、この暗黒の地から解放してあげたい!」それは、自分に光を届けてくれたカシュカへの恩返しでした。

 
と言っても、米国の軍用車両に猫を乗せることはできません。何とか方法を探したところ、とてつもないリスクがあるにも関わらず、現地の心優しい通訳者の方が輸送を引き受けてくれることになりました。

そのリスクとは、紫のカラーをつけた猫とアメリカ製のキャリーケースを持って、アフガニスタンの国土の半分を横断しないといけないというものでした。その途中に何個あるかも分からないタリバンの検問所で、アメリカ人の手伝いをしているということを知られてしまえば、命の保証はありません。

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しかし、彼はやり遂げてくれました。数週間後、無事カシュカが到着したという連絡が届いたのです。

アフガニスタンからパキスタン、ニューヨークを経由し、ジェシーさんの家族が待つポートランドに到着することが出来たカシュカ。3000ドル(現在の日本円にして約37万円)の輸送費がかかりましたが、カシュカの無事に比べれば、なんてことはありません。

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カシュカに続いて、任務が終わったジェシーさんも帰国しました。

カシュカを救うつもりが、逆にカシュカのおかげで、辛い戦場を生き抜くことができたジェシーさん。

救われてばかりではなく、最後には「カシュカを平和な地へ連れて行く」という重大任務を成し得ました。その行動力の源には、カシュカとの深い深い絆があったことでしょう。

そして、現地で協力してくれた通訳者さん。彼の優しさと勇気がなければ、この任務を果たすことはできませんでした。彼への感謝は一生忘れることがないでしょう。

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これからは一緒に穏やかにすごせる。ただそれだけでも、ジェシーさんとカシュカにとっては最高の幸せですね。

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