美術の授業中に、お腹を空かせた子猫を見つけたハンナさん。
とても痩せ細っていたその子猫は、先生が持っていたフライドチキンを必死に食べようとしていました。
ハンナさんは、彼を保護するために追いかけて、どうにか抱き上げることに成功します。
インキーと名付けられた子猫は、目に溜まった老廃物のせいでほとんど何も見えていませんでした。
加えて身体は骨と皮しかなく、このままでは命も危うい状況です。
犬に見守られて
ひとまずハンナさんは、子猫を動物病院に連れて行ってあげることに。
視力の回復したインキーは、まるで初めて見るものだというように自分の肉球を見つめていましたね。
インキーには先天的なまぶたの発育不全があり、まばたきをしようとしても目を閉じることが出来ず…
また、自分の体毛が眼球に触れてしまうため、常に痛みや不快感を感じていたのです。
彼を救うには、凍結療法という専門的な治療で、目の周りの毛包の活動を止めなければなりませんでした。
インキーは、そのままハンナさんの家へと引き取られていきます。
初めのうちは、慣れない環境に連れてこられて、ビクビクとしていたものの…
飼い犬のジャスパーはそんな彼を優しく受け入れ、落ち着かせてくれました。
優しい先輩のおかげで、ウィンキーも内気な殻を破り始めます。
毛並みの色も揃っていて、どちらもおとなしくて優しい性格の持ち主です。
そんな共通点のせいか、家の中ではいつも一緒になって私にくっついていますね。
なにせジャスパーは、すぐにインキーの顔を舐めようとするし…
インキーも、ジャスパーに舐められるのが好きだったので。
インキーの状態が良くなるにつれて、2匹の仲もますます深まっていきます。
小柄な彼は、ジャスパーの大きな体にすり寄って甘え…
ジャスパーも彼の顔や頭を舐めて、愛情を示していました。
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生涯の友
継続的な治療を受けながらも、大人の猫へと成長していくインキー。
視界は完全には戻らなかったものの、他の猫と遜色なく暮らしているといいます。
上手くものが見えなくても、ジャスパーがそばに居てくれれば、不安を感じることもありません。
今では、まるで兄弟のようにずっと一緒にいるという2匹。
お互いに素敵な友達に出会えて、本当に良かったですね。