ある日、イスラエルの都市・テルアビブ在住のマリサさんが飼い犬の散歩に出かけたところ…
彼女は自分が暮らしているアパートの団地で、助けを求めて鳴いている子猫と出会いました。
街中で、猫を見かけない日はない、っていうくらいに。
独りぼっちで、周囲に母親と思しき猫の姿はありません。
孤独に震える子猫を放っておくことができなかったマリサさんは、一度自宅へと戻り、ご飯や水を持ってきました。
驚かせないようにそっと近づいて、ゆっくりとその体を抱き上げると…逃げたり暴れたりする体力もないのか、抵抗もせずにされるがまま。
ひとまず自宅に連れて行ってあげよう。
そう決心した所で、ようやくマリサさんは…
子猫が、文字通りの「満身創痍」であることに気が付きます。
起死回生
古いものから新しいものまで刻まれた数々の傷は、生後数週間ほどの彼が、どれだけ過酷な生活を送ってきたのかを如実に物語っていました。
数日かけて、マリサさんは恋人と一緒に子猫の看護を続けます。
動物病院に連れて行ってあげたり、必要なお薬を摂取するのを手伝ってあげたり…
弱りきっていた子猫は、時に生死の境をさ迷うこともありました。
どうやらお腹が空いていたみたい。
とにかく、彼の生命力の強さには、驚かされるばかりでした。
体も小さく、まだ病み上がりの子猫。
そんな彼が自分の部屋から抜け出せたのは、共に暮らす飼い犬・コメットのおかげなんだそうです。
マリサさんが子猫を部屋へと連れ戻すたびに、コメットがそれを逃がす。
気づけば、いたちごっこが始まっていたのだとか(笑)
子猫は、いつもコメットの後ろにくっついて、家中を歩き回るんですよ。
世話焼きな友達の助けもあって、やがて子猫はみるみると回復していき…
食欲も取り戻して、動物病院の先生も驚かせるくらいの健康体になりました。
もうダメだと思ったところから、何度も復活する強さの持ち主だったので。
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大家族とともに
その後、マリサさんが里親として引き受けた犬のジギーも加わって、彼女の家はいっきに大所帯に!
3匹はその後も仲良く暮らしているらしく…
特に子猫のフェニックスは、一回り大きな体の犬2匹が大好きで、いつも飛びついたりじゃれあったりして、甘えているといいます。
傷だらけで独り寂しく鳴いていた子猫は、もうどこにもいません。
健康と友達、そして安全な家、かけがえのない大切なものを手に入れたフェニックスは、これからも幸せに暮らしていくことでしょう。