アメリカ・テキサス州ヒューストンの保護施設にやってきた一匹の猫。
骨と皮しかないほどに痩せているにも関わらず、妊娠していた彼女は…
引き取られた翌日、なんと、8匹もの赤ちゃんを出産しました。
残念ながら保護施設の収容可能数にも限りがあり、ケアが必要な大家族をいつまでも預かっておく余裕はありません。
そこで施設のスタッフは、野良猫の保護活動を行っているボランティアの団体に連絡を取りました。
長い道のり
連絡を受けた団体は、母猫と赤ちゃんたちを引き取ることを了承。
しかし、彼らが拠点としていたのはコロラド州デンバーという都市であり…
その引っ越しは、1000マイル(約1600km)もの長旅となります。
他に頼るところもなく、決死の思いで出発したものの…
到着する頃には、やはり赤ん坊のうち何匹かが衰弱しきってしまいました。
ジョアンと名付けられた母親は、スタッフのライネさんに出会うや否や、助けを求めるかのように身を寄せます。
人間を信用しているみたいで、もしかしたら以前、飼われていたことがあるのかもしれません。
赤ちゃん猫たちは、まだ生後たった数日ほど。
お腹にも、へその緒がついたままでした。
ライネさんは、その中でも比較的小さいサイズの子猫たちのために、特別な栄養食を作ってあげたそう。
「誰がミルクを飲むか」の競争に負けて、十分に栄養を摂れない子もいたので…
また、そのうちの2匹は、さらに特別なケアを必要としていたため、他のボランティアの手も借りなければいけなかったのだとか。
彼らを救うために、ありとあらゆる手を尽くします。
その結果、8匹の赤ちゃんたち全員が、どうにか一命をとりとめることができました。
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今度は自分の番!
ジョアンお母さんも、やっと安心できたのでしょう。
子どもたちに負けじと、隙を見つけてはライネさんに頭を擦りつけたり、鼻を鳴らして甘えたりするようになりました。
ジョアンお母さんも、赤ちゃんたちに負けないくらい可愛いですよ。
撫でられたり、構ってもらうのが大好きみたい。
しかし、もちろん親としての責務も忘れたわけじゃありません。
ライネさんが猫たちの部屋に掃除機をかけ始めると、赤ちゃん猫たちを一匹ずつ安全な場所に避難させ…
掃除が終わるまで、自分の身体ですっぽりと覆い隠してしまうといいます(*´ω`*)
やがて大きくなった8匹は、お母さんと一緒に避妊・去勢の処置を受けました。
苦難を経て、ようやく整った「親離れ」の準備。
立派に務めを果たしたジョアンに、心から「お疲れさまでした」と伝えてあげたいですね。