弁護士のはし (@free_andpeace)さんが投稿した、とある依頼者のエピソードに注目が集まっています。
破産の依頼者でどうしても申立が進まない人がいた。事務所で書類を書いてもらおうとしたところ、書き出さない。色々声かけをしても同じ。
少しイライラして「書いてもらわないと進まないですよ」と伝えたら、意を決したように、私の顔を見て「先生、俺、字が書けないし読めないんですわ」と言った。
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
あまりにも予想外の告白。
はしさんも、動揺してしまいます。
私は21世紀の日本で字が読めない人がいるなんて思っていなかったから、一瞬何を言っているかわからなかった。
しかも、その人は仕事をしていて、家庭もあった。「家族だけです、知っているの。家族は助けてくれる。職場では読めるフリをしている。それでなんとか何十年も仕事をしてきた。
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
名前と住所は練習して書けるようになりました。ひらがなは読めます。でも漢字が読めないからATMでの振込みも娘に助けてもらわないとできない」
「小さい頃、親父が俺と母親に暴力をずっとふるっていて、小学校にも通わせてもらえなかったんです。」
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
「家族以外誰にも言ったことがなくて…言わなくてすみませんでした」
と謝られた。
私は自分の無知を恥じた。イライラした自分が情けなかった。依頼者に嫌な思いをさせたことを謝り、相談して今後の手紙は全部ふりがなをふる約束をした。
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
10年以上前の事件だけれど、たまにその依頼者を思い出す。自分の想像する世界がすべてではないこと、人には様々な事情があることを教えてもらった。
全く連絡はないけれど、お元気で過ごされていることを祈りたい。
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
我々が普通だと思っていることは、ある人から見れば、豊かさの一部に過ぎない。
国境を越えずとも…それは事実として存在するのだと、改めて思い知らされる一幕です。
はしさんは、最後に語りました。
伸びているので追記。
虐待など劣悪な環境で過ごしてきた子どもたちの中には、漢字が読めない子、書けない子、掛け算(場合によっては、足し算)ができない子もいます。識字障害の子も。
あれ?と思ったら、やさしく声をかけてくださると嬉しいです。
— はし (@free_andpeace) 2019年4月24日
皆の「当然」を理解できないという状況が、どれほどの不安を生みうるか…。
想像するだけで、胸が詰まります。
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ネットの反応
●複数の資料でちらりと見かけることはありましたが、家庭の事情で義務教育が受けられない子供というのは日本でもなかなか多いらしいですね
●その方の経験してきた悔しさや困難を考えると、相当打ち明ける時に勇気がいったと思います…
●家の父親も、全く漢字読めません。息子の名前も書けません。建築現場で働いて、家族を養ってくれました。ぼくが大学に入学したときは、うれしそうでした
深く考えさせられるお話に、他のユーザーたちからも様々な反響が寄せられていました。