連日のニュースに登場する『保育園落ちた日本死ね!!!』という書き込み。待機児童を抱える母親が国への不満を綴った内容は、たくさんの共感を呼び署名運動へと発展しました。
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しかし、保育園ができない原因は、国だけではなくこんなところにもあると言うのです。お仕事で保育園の開設に関わっているもも (@momodog22)さんがツイッターに投稿した『保育園が作れない事情』を紹介します。
日本が悪い保育園作れって、簡単に作れない事情があるの知ってるんかな。自分の担当した新規保育園の案件、昨年だけで2件「地域住民の反対」でぽしゃってるんやけど。自分の知る限り市も事業主の福祉法人も待機児童対策に懸命なんやけど。
— もも (@momodog22) 2016年3月6日
その事情とは地域住民の反対。
反対の理由は「園児の声がうるさい」「送迎の車や人通りが増えて生活に支障をきたす」だと言います。また、保育士の不足、工事原価の高騰や建築業者不足による入札の不調などで認可が下りても開園が伸びている保育園もあるのだとか。
もちろん賛成派の住民もいますが、その声は反対派の大きな声を前にしてかき消されているようです。
保育所開園についての近隣説明会で市の担当と事業者に浴びせられる罵声を聞いてると人間の嫌な部分が見えてしまう。頭ごなしに「反対!ここでやるな他所でやれ!金儲けの為やろ!」の連呼で話にもならない。中には賛成派の住民もいるのだが、強硬な意見には掻き消されてしまう。
— もも (@momodog22) 2016年3月8日
さらに、Twitter上での質問に丁寧に答えてくれるももさん。
「園児ってそんなにうるさいの?どうにかならないの?」→環境にもよるけど園児の声は人によってはとてもうるさく感じます。なので場所によっては設計施工の際に二重サッシや防音ダクト、防音壁などを設置することが多いです。当然それらも近隣住民さんには事前に説明します。
— もも (@momodog22) 2016年3月9日
「反対する住民ってどうせ高齢者でしょ?」→違います。反対住民代表はだいたい40~50代で子育てが落ち着いたか子供が独立した層。高齢者は表向き反対していても本音は子育てに寛大で賛成したい人が多いように思う。住民同士のトラブルを嫌うので反対に廻る感じ。
— もも (@momodog22) 2016年3月9日
「保育所作る場所なんていくらでもあるのでは?」→地域にもよるがアクセスを考えると新規園新築する土地探しはかなり難航します。なので分園として住宅街にある空家をリノベして申請することが増えてますが、それも近隣住民に反対される原因となってます。
— もも (@momodog22) 2016年3月9日
「結局は国が頑張らないとダメなのでは?」→認可保育園は国と自治体、
社福法人、地域住民も利用者も、全員が協力しないと駄目なので、すべて国が悪いでは何も進まないのでは。— もも (@momodog22) 2016年3月9日
因みに自分が関わってる自治体では昨年度は目標受入園児数をほぼクリアしてるのに本年度は更にまだ1000人近くの待機児童が増えているらしい。共稼ぎ世帯が増えているとはいえなかなか大変なことだ。
— もも (@momodog22) 2016年3月9日
国交省も全国で800万戸ともいわれる空き家対策として昨年に空き家対策特別措置法を施行したのでこれから住宅街での中古住宅をリノベした新規分園の案件が増えるやろうね。それを地域住民がどう受け入れるかがますます問題になる。
— もも (@momodog22) 2016年3月9日
Twitterでは…
@momodog22 @snowy_dog2005
国民とは得てして自分の権利は声だかに叫ぶが義務からは目を背けるものです。
保育園は地域住民の協力が必要なのにそれをせず責任を全て政府に擦り付ける。
これでは日本が良くなるわけない。— かつ (@ktman21c) 2016年3月8日
厚労省調査によれば、保育園増設に反対する近隣住民に共感すると回答した市民は約35%。
「保育園作れないのは日本が悪い」と他責的になる前に、自分を振り返る必要がありますよね。https://t.co/mQrwlpIBql
— ryoko174 (@ryoko174) 2016年3月9日
@momodog22 @naturia83 結局、「自分達の地域以外に保育園作って」が本音なんですよね。
うちの近所でも近くに保育園作ろうとしたら反対にあってポシャったことがあります(。・ω・)— マキハム (@ryouga001) 2016年3月8日
ポシャる原因の「地域住民の反対」と保育園作れっていう「要求」が同列で、要求がないと反対に負け続けてしまうので、やはり要求が目に見えるのは悪い話じゃないと思うhttps://t.co/hYvKh2ePco
— 遊藍 (@ainiasobu) 2016年3月9日
@momodog22 子どもの声を騒音扱いする住民がいてそのクレームが受け入れられちゃうあたりこの国の未来は暗い
— 錐夜@栽培係 (@kiriyayuri) 2016年3月8日
最後に、ももさんは犬の保護活動もしています。現在、耳の聞こえない保護犬と、先住犬の9年間を綴ったフォトエッセイを発売中。売上の一部と原稿料から動物保護団体への寄付が行われますので、興味の湧いた方はチェックしてみてください。
8年前、野良犬が産み落とした子犬を保護した。そのままうちの犬になった。その日、よくわからんポーズで桃ちゃんに挨拶をした。 pic.twitter.com/t7WrVc6K8o
— もも (@momodog22) 2014年10月22日
【定期宣伝】保護犬で聴覚障害犬じんと甲斐犬ももこが寄り添って暮らしてきた9年間を綴ったフォトエッセイ『ももとじん』発売中です。お子様にも読みやすい絵本のような本です。※売上の一部と原稿料からは動物保護団体に寄付されます https://t.co/siTHl4kwLA
— もも (@momodog22) 2016年3月9日