ミシガン州デトロイトのある一家は、引っ越しをするにあたって不必要なものをすべて家の前に置いて行きました。
ベッドのマットレス、ドレッサー、枕。そして…
ブーという名の飼い犬も。
家族のニオイがまだ残るマットレスの上、もう帰ってくることのない飼い主さんを、ブーはずっと待ち続けていました。
幸い、近所の方のおかげで食べ物や水に困ることはありませんでしたが…
捨てられてから1ヵ月が経過しても、彼はそこを決して動こうとしなかったのです。
そんな中、「道路で飼い主を待ち続けている犬がいる」との連絡を受け、保護団体「Detroit Youth and Dog Rescue」の責任者であるマイク・ディーゼルさんが現場に駆けつけます。
ブーを保護するために、まずは自分を信頼してもらうことから始めなければなりませんでした。
まずは、ただブーの側に座り、自分の声や存在に慣れてもらうよう努めました。
硬い縁石の上、彼らは11時間も一緒に過ごしたといいます。
警戒心が解け始めた午前2時頃、いったんその場を離れ、8時間後の10時に戻ってきたディーゼルさん。
その腕には、ブーの心を射止める切り札として、マクドナルドのソーセージマフィンとハッシュドポテトが入った袋が抱えられていました。
結果…
ブーはようやく、首輪をつけることを許してくれたのです!
それから2人は30分ほど散歩し、さらに信頼してもらうために、道路に敷いたブランケットの上で1時間ほど一緒に過ごしました。
私が傷つけるようなことはしないと、ブーはちゃんと分かってくれたんです。
真摯な説得の末、ブーはついに家族との思い出の場所を離れ…
マイクさんの車に乗り込むことを決心してくれました。
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その後病院で検査をしてもらうと、フィラリアに感染していることが発覚。
治療が必要だったものの、それ以外は特に問題なく…
優しい性格ゆえ、ほかの犬たちともすぐに仲良くなりました。
こんなにも家族を信頼してくれていた飼い犬を、どうしてゴミのように捨てることができたのでしょうか?
考えれば考えるほど、やり切れません。
ブーには、ぜひとも新しい家で、今まで以上の愛情や幸せを体いっぱいに感じてほしいものですね。