社会

9月21日、なぜ赤十字社は自らのシンボルマークを「真っ赤」に塗りつぶしたのか

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白地に赤い十字架が描かれた、赤十字社のシンボルマーク。

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9月21日、日本赤十字社のFacebookページにてアイコンとして使われていたこのマークが、突如として真っ赤に染まりました。

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本来、赤十字マークを掲げることには、大切な意味があります。

赤十字マークは、戦争や紛争などで傷ついた人びとと、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設等を保護するためのマークです。

紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められています。
(参照:日本赤十字社:赤十字マークの意味と約束事)

 
しかし、9月19日、その意義を揺るがすような「事件」が発生。

 
シリア赤新月社(シリアでは、赤十字マークと並べて赤い新月のマークを掲げている)のトラックと倉庫が襲撃を受け、多くのスタッフが命を落としただけでなく、孤立した市民を救うための支援物資も粉々になってしまったのです。

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赤十字社が自らのシンボルを赤く塗りつぶしたのは、この非人道的な行為に対する抗議の思いを表明するためでした。

「REDforSYRIA」
19日、混迷の度を深めるシリアのアレッポ近郊で、孤立した市民に食糧や医薬品を届けに行ったシリア赤新月社(赤十字)のトラックと倉庫が攻撃され、赤新月社の職員および民間人約20人が亡くなりました。シリア赤新月社は過去…

日本赤十字社さんの投稿 2016年9月21日

シリア赤新月社は過去6年間に54人の職員とボランティアを失ってきました。

中立の人道援助が繰り返し攻撃されることは、援助が必要な人々をさらに追い込み、より多くの命が奪われることになります。

赤十字は国際人道法に反するこのような攻撃に強く抗議するとともに、一層の支援に向け、皆様の連帯を呼びかけています。

ご賛同頂ける方は、ソーシャルメディアのプロフィール画像を、しばらくの間、「赤」にして頂きますようご協力をお願いいたします。

 
ICRC(赤十字国際委員会)が出した共同声明には、シリア赤十字社の代表であるアブドゥルラーマン・アッタール氏の悲しみに満ちたコメントも掲載されていました。

「これほど多くの人の死に直面し、私たちは打ちのめされています。

SARCの副支部で局長を務めるオマール・バラカットも命を落としました。

シリアの人々の苦しみを和らげたいという強い使命のもと、現場の同僚と休む間もなく活動していました。

止まない戦闘の代償を私たちの職員やボランティアが払い続ける事態に、これ以上我慢ができません」

 
他者を救おうとする人間が、無慈悲に殺される。

そんな日々に終わりが来ることを願いながら、まさに地獄のような状況下で、赤十字社のスタッフたちは今日も戦い続けています。

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