人間関係

障害を持つ息子へ。相模原事件を受けて、父親が綴った「気づき」に涙が止まらない

スポンサーリンク
スポンサーリンク

相模原市の障害者施設で起こった凄惨な事件に、今もなお、多くの人々が心を痛めています。

そんななか、障害のあるお子さんを持つ神戸金史さんがFacebookへ自身の想いを投稿。その内容に、大きな反響が集まっています。

私は、思うのです。
長男が、もし障害をもっていなければ。
あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。私は、考えてしまうのです。
長男が、もし障害をもっていなければ。
私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。
何度も…

神戸金史さんの投稿 2016年7月28日

私は、思うのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。

 
私は、考えてしまうのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。

 
何度も夢を見ました。

「お父さん、朝だよ、起きてよ」

長男が私を揺り起こしに来るのです。

「ほら、障害なんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」

夢の中で、私は妻に話しかけます。

 
そして目が覚めると、

いつもの通りの朝なのです。

言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。

何と言っているのか、私には分かりません。

 
ああ。

またこんな夢を見てしまった。

ああ。

ごめんね。

 
幼い次男は、「お兄ちゃんはしゃべれないんだよ」と言います。

いずれ「お前の兄ちゃんは馬鹿だ」と言われ、泣くんだろう。

想像すると、

私は朝食が喉を通らなくなります。

 
そんな朝を何度も過ごして、

突然気が付いたのです。

 
弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、

人をいじめる人にはならないだろう。

生まれた時から、障害のある兄ちゃんがいた。

お前の人格は、

この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。

お前は優しい、いい男に育つだろう。

 
それから、私ははたと気付いたのです。

あなたが生まれたことで、

私たち夫婦は悩み考え、

それまでとは違う人生を生きてきた。

親である私たちでさえ、

あなたが生まれなかったら、

今の私たちではないのだね。

 
ああ、息子よ。

誰もが、健常で生きることはできない。

誰かが、障害を持って生きていかなければならない。

なぜ、今まで気づかなかったのだろう。

 
私の周りにだって、

生まれる前に息絶えた子が、いたはずだ。

生まれた時から重い障害のある子が、いたはずだ。

 
交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、

雷に遭って、寝たきりになった中学生が、

おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、

嘱望されていたのに突然の病に倒れた大人が、

実は私の周りには、いたはずだ。

私は、運よく生きてきただけだった。

それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ。

 
息子よ。

君は、弟の代わりに、

同級生の代わりに、

私の代わりに、

障害を持って生まれてきた。

 
老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。

事故で、唐突に人生を終わる人もいる。

人生の最後は誰も動けなくなる。

誰もが、次第に障害を負いながら

生きていくのだね。

 
息子よ。

あなたが指し示していたのは、

私自身のことだった。

 
息子よ。

そのままで、いい。

それで、うちの子。

それが、うちの子。

 
あなたが生まれてきてくれてよかった。

私はそう思っている。

父より

[ada]

 
かつて、「息子の障害がなくなればいい」と考えていた神戸さん。

しかし、息子が息子として、ありのままで生まれ育ってきてくれたことによって、今の自分たちがある。そう気がついたとき、感謝があふれ、止まらなくなったといいます。

 
投稿を読んだ方からは、「涙が止まりません」「同じ想いです。胸が熱くなりました」「印刷して、息子と娘に郵送します。きっとじっくりと読み、深く考えると思います」など、感動と共感のコメントが多数寄せられました。

事件以来、悲しみを抱いている人すべてに届いてほしい、ひとりの父親の真摯な言葉です。

スポンサーリンク
人間関係
シェアする
スポンサーリンク
今、あなたにオススメの記事
スポンサーリンク
こちらも人気
スポンサーリンク
こちらもオススメ
スポンサーリンク
BUZZmag