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亡くなった息子の慰霊プレートが「ポケストップ」に。母の悲痛な願いに考えさせられる

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カナダ・ブリティッシュコロンビア州ナナイモで暮らすジェニー・ラティマーさん。

悲劇は、ジェニーさんが法的取り決めのもと、親権のない元夫の家に息子のケヴィンくんを預けていた際に起こりました。

ケヴィンくんが、その家の3階から、誤って転落死してしまったのです。
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悲しみに暮れたジェニーさんでしたが、その後、こうした悲劇が二度と生まれないようにと、親権のない親が子供に会う権利の改善を巡って活動し、法律をも変えていきました。

「死んだケヴィンはもう、帰ってきません。それに、ケヴィンを想って泣き暮らしていたらケヴィンが一番悲しむと思い、もっと物事をポジティブに考えるようにしました。そして、オンタリオ州バーリントンにある教会に、ケヴィンへの哀悼と、同じような悲劇で子供が亡くならないように祈りを込めて、メモリアル・プラーク(慰霊プレート)を掲げたのです」

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それからの日々は、ケヴィンくんを想いながら静かに生活していたというジェニーさん。しかし最近になって、彼女の心をかき乱す出来事が起こり始めます。

これまで静かだったメモリアル・プラークが、今話題のスマホアプリ「ポケモンGO」の「ポケストップ」に登録されたことにより、突然騒々しくなってしまったのです。
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メモリアル・プラークに押し寄せる人の波に、当初は何が起こっているか見当もつかなかったジェニーさん。

彼女に原因を伝えた、ケヴィンくんといとこ同士にあたるアレン・ハリントンさんは語ります。
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「ポケモンGOユーザーの自分としては、生きていたら14歳になっていたケヴィンも、僕と同じようにポケモンGOで遊んでいたと思うんです。ユーザーがみんな、ゲーム画面の中に入り込みたいと思っているなかで、ケヴィンはゲームの中ではもう不滅の存在になったんだよ、ゲームの中でも生きているんだよ、とジェニーおばさんに言いました。それに、メモリアル・プラークで自分が出会ったユーザーはみんな、メモリアル・プラークに何が書かれているか、ちゃんと読んでいました。ですから、これをきっかけに、ケヴィンの事故を知ってもらえればいいのではないかと思うんです」

 
しかし、それを聞いたジェニーさんは、「プレイヤーの心に、ケヴィンに対する敬意なんてない」と言います。

「私がメモリアル・プラークを設置したのは、この場所で静かに座って、瞑想してほしかったからです。ケヴィンを知っている人なら彼に思いを馳せてほしいし、ケヴィンを知らない人も、この事故について静かに考えてほしかったから…ゲームで遊んでもらうためではないのです」

 
ジェニーさんは、ポケモンGOの開発会社に連絡し、メモリアル・プラーク周辺でのポケストップを削除してもらうよう依頼しました。しかし、現在のところ先方からはメッセージを受け取ったという自動返信以外、なんの反応もないそうです。

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日本でも鉄道会社が駅や電車内にキャラクターを出現させないよう開発会社に要請したり、権威のある神社がポケモンGOを禁止したりしています。

コチラから削除依頼が可能とのことですが、申請に関する審査基準や、削除までに要する期間等は公表していないそうです。

 

「うちの7歳、8歳、16歳の息子たちは、死んだ兄弟を想ってポケモンGOなんかで遊ばないとおもいます」

最後にそう語ったジェニーさん。彼女の悲痛な思いは、開発会社に通じるのでしょうか。

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